t h r e e   h e a r t s

「あのひとが わたしを
こまらせるのは
わたしから はなれたくないからだと
おもうの。
わたしの 心を わずらわせれば
わたしの 時間を
うばえると 思っているのね。
そういう かわいくて
だめなところが あるの。あのひと。」


「ばかね あなた。
彼は ただ まってるのよ。
彼は あたまのいい
ただの ろくでなしなの。
わたしか あなたのどちらかが
あきれて さっていくのを ただ
まってるのよ。」
「まあ。じゃあ どちらかが
さったら どうなるの?」

「やっと そのとき わかるのよ。
彼が どっちのタイプかってこと。
つまり さっていく女に
恋に おちるか
許してくれた 女を
だきよせる タイプかってことがよ。
たちの悪いことに 
彼だって しりゃしないんだから。
そのこと。」

「あなた おさきにどうぞ。
えらんでちょうだい。」
「いいえ あなたこそ おさきに。」

「ところで僕の スウィートハート。
さっきから いったいぜんたい
だれと しゃべってるんだい?」

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